2021年2月21日日曜日

紅蜂さんのこと

アマゾンプライムでプロゴルファー猿を観てみました(全153話)。 自分が小学生の頃に流行った藤子不二雄のゴルフアニメ(原作は読んでいない)で旗包み、モズ落としといった必殺技や印象的な主題歌は今でも覚えていました。 

 この作品、主人公が次から次へとやってくる強敵とゴルフで対決して、いつもギリギリのところで必殺技を繰り出し大逆転勝利を収める、というのは少年漫画の鉄板の展開でやや面白みに欠けるのですが、ヒロイン(?)である紅蜂さんの猿君に対する揺れ動く気持ちの描き方がよかったです。元々は刺客の一人だったのですが、次第に応援するようになり、あるいは姉貴分な一面を見せたかと思うと、強烈なライバル心を燃やし、決別の手紙を一方的に送りつけたり、でもやっぱり応援する気持ちを抑えきれなかったり、と。。。でも、本当のところは最後まではっきりとは描かれていませんでした。 

また、常套手段の戦術を善とし、猛練習で会得した必殺技は邪道として、その使用は戒められるあたりは当時の日本人の価値観が表れていたように思います(あるいは、その価値観に対する作者の反発)。数年前、高校野球で、超スローボールを投げる投手に批判が殺到したことがありましたが、たしか日本人メジャーリーガーがルール内での技術に対する工夫を批判することに疑問を投げかけてましたよね。しかも、超スローボールは一朝一夕でできるものではなくて、試合で使えるようになるにはかなりの猛特訓があったはずだ、とか。プロゴルファー猿はそんな“古い体質”がよく表れているようです。

 小学生の頃とは違った大人の楽しみ方ができました(笑)。